年齢を重ねるごとに頬や顎のたるみ、しわの悩みが増える方は多いですね。
この悩みの主な原因は、加齢による皮膚のコラーゲンの減少や衰えといわれています。
近年、肌にメスを入れず短期間でリフトアップを望めるハイフ(HIFU)が誕生し、人気を集めています。
本記事ではハイフの効果とダウンタイムの有無、副作用に加え、施術後のアフターケアを解説します。
ハイフに興味がある方や施術を検討している方はぜひ参考にしてください。
- ハイフを受けるなら美容ハイフではなく医療ハイフがおすすめ
- ハイフは身体への負担が少ない施術だが、多少のダウンタイムはある
- ほとんどの場合、副作用は数日〜1週間で消失する
- 施術後は丁寧な保湿と紫外線対策が大事
ハイフ(HIFU)とは?どんな効果?
そもそもハイフとはどういう美容施術なのでしょうか。
まずはハイフの概要と、ハイフを受けるなら医療ハイフがおすすめである理由について説明していきます。
ハイフ(HIFU)とは?
ハイフ(HIFU)は「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波療法)」、つまり超音波を利用した美容施術のことです。
皮膚の内部にはコラーゲンから形成されている筋膜「SMAS」があり、これが「皮膚の土台」として肌を支えています。
ハイフは加齢などで緩んでしまったSMASに超音波の振動で発生する熱エネルギーを与え、縮ませ引き締めます。
また熱損傷を受けたSMASは再生活動が活発化するため、新生したコラーゲンが肌にハリや弾力、ツヤをもたらしてくれるのです。
ハイフは悩みがある部位にピンポイントで照射されます。
そのため施術時間が短く、痛みなども最小限で済むため、あまり大きな負担を感じずに治療を受けられます。
受けるなら医療ハイフがおすすめ
ハイフは施術を受ける施設によって、「医療ハイフ」と「美容ハイフ」の2種類に分けることができます。
医療ハイフは医療機関で、美容ハイフはエステサロンなどで受けるハイフのことを指します。
ハイフを受けるなら、医療ハイフがおすすめです。
どちらも原理は同じですが、美容ハイフは医療ハイフよりも「安全性が低い」「出力強度が弱い」「コスパが悪い」というデメリットがあるからです。
まず、エステティシャンには医学的な知識がないため、万が一に重い副作用が出た際に適切な処置を受けられない可能性があります。
(1)エステサロン等で皮下組織に熱作用を加え危害を及ぼすHIFU施術を受けてはいけません
(出典)エステサロン等でのHIFU機器による施術でトラブル発生!-熱傷や神経損傷を生じた事例も-(発表情報)_国民生活センター
2017年、国民生活センターから上記のように「美容ハイフを受けないように」と発表されています。
またエステサロンのハイフは出力強度が低めに設定されており、得られる効果が弱いです。
加えて美容ハイフはコストパフォーマンスが悪いというデメリットもあります。
1回当たりの費用は安価に見えますが、効果が弱いため短いスパンで通う必要があり、最終的に高額になる場合も。
総合的に考えると医療ハイフのほうが安全かつ優秀といえます。
ハイフ(HIFU)の効果や期間はどれくらい?
次にハイフの効果と効果を得られるまでの期間を解説していきます。
ハイフの効果を実感しやすい部位と実感しにくい部位があるため、そちらもあわせて紹介します。
ハイフ(HIFU)でみられる効果
ハイフを受けることで期待できる効果は、主に「リフトアップ」と「肌質改善」の2つです。
どちらも若々しい印象とは切っても切り離せない、大切な要素ですね。
リフトアップ
ハイフは肌にメスを入れることなく、高いリフトアップ効果をもたらします。
前述した通り、ハイフは「皮膚の土台」に熱エネルギーを与え、緩んだ筋膜を引き締めます。
皮膚の内側が引き締められることで肌のたるみが改善され、小顔効果に繋がるのです。
また、肌のたるみが元となってできたほうれい線などのしわも目立ちにくくなります。
肌質改善
施術後はコラーゲンが活発に作られるため、肌にハリが出たり、弾力やツヤがアップします。
毛穴の引き締めや透明感の向上、ターンオーバーが促進することによるニキビ跡の改善などが見られることも。
ハイフは高いリフトアップ効果だけでなく、美肌効果も期待できる施術といわれています。
効果が出るまでの期間
リフトアップ効果は、最短で施術直後から実感できることがあります。
しかし施術直後は腫れやむくみが出る場合もあり、ダウンタイムが落ち着くまでは効果を感じにくい方もいます。
一方、肌質改善に関しては1ヶ月〜3ヶ月ほどかけて効果を実感する方が多いです。
そのため、大事なイベントに合わせてハイフの効果を実感したい方は、イベントの1ヶ月ほど前に施術を受けるとよいでしょう。
効果が出やすい部位
メリットが多いハイフですが、実は効果が出やすい部位と、出にくい部位があります。
ハイフの効果が特に出やすい部位は、フェイスラインや頬、顎下のたるみといわれています。
いずれもたるみを改善できると印象が大きく変わる部位ですね。
効果が出にくい部位
逆に同じ顔周りの部位でも、首やまぶた、額のたるみやしわは効果が出にくいです。
また、このような部位はハイフよりも適切な美容施術を選べる場合があります。
例えば額のしわにはボトックスやヒアルロン酸などの注射治療が適している、などです。
ハイフに限らず、美容施術で悩みを改善する時は、担当医師から悩みや体質に最適な施術を提案してもらうことが大切です。
ハイフ(HIFU)にダウンタイムはある?
基本的に身体への負担が少ないといわれるハイフですが、多少のダウンタイムはあります。
ハイフのダウンタイムはほとんどの場合、長くて1週間程度です。
しかし肌の状態や体質などによっては、下記で紹介する副作用が1週間以上に渡って続くことがあります。
数週間経ってもダウンタイムが落ち着かない時は、迷わず担当医師に相談しましょう。
ハイフ(HIFU)の副作用
負担が少ないとはいえ、ハイフは皮膚組織の損傷を活用した美容施術。
熱に関連する皮膚へのダメージが、ダウンタイム中に副作用として現れることがあります。
ここではハイフの副作用を7つ紹介します。
-
- 熱感や赤みが出る
- 腫れやむくみが出る
- 乾燥する
- 紫外線のダメージを受けやすい
- 筋肉痛に似た痛みがある
- 火傷する
- 神経損傷
1:熱感や赤みが出る
ハイフを受けると施術箇所に火照った感じが残ることや、赤みが出ることがあります。
肌が弱い方に見られることがある副作用です。
この副作用は、保冷剤などで冷やすと改善されます。
ただし冷やしすぎるとハイフの効果を得られにくくなる可能性があるため、冷やすのは程々にしましょう。
2:腫れやむくみが出る
高い出力でハイフを受けた場合、腫れたりむくんだりすることがあります。
また、脂肪が多い方も腫れやすいです。
ハイフによる腫れやむくみを避けたい方は、前もって担当医師に相談しましょう。
腫れやむくみが出にくいように出力強度を調整するなど、患者に合ったハイフを施してくれます。
3:乾燥する
皮膚に熱ダメージが入るため、肌が乾燥しやすくなります。
乾燥肌気味の方はもちろん、乾燥肌と無縁という方も施術後は要注意です。
ハイフの施術後は乾燥するものと考え、施術直後から1ヶ月ほどは念入りにお手入れしましょう。
4:紫外線のダメージを受けやすい
上記の通り肌が乾燥するため、紫外線のダメージも受けやすくなります。
季節に関わらず、ハイフの施術後は日焼け止めでしっかりと紫外線をガードしましょう。
乾燥対策と同様に、施術直後から1ヶ月ほどは注意したほうがよいです。
5:筋肉痛に似た痛みがある
施術後から筋肉痛に似た鈍痛を感じることがあります。
個人差はありますが、大抵は数日で痛みのピークを迎え、1週間ほどで落ち着きます。
基本的に日常生活に困難をきたすほどの痛みはないため、ご安心ください。
6:火傷する
残念ながら、ハイフを受けたことで施術箇所に火傷を負ったという事例があります。
この副作用は施術者の技量に左右される面が大きいため、どこで施術を受けるかを慎重に選びましょう。
選び方の例としては、「美容ハイフではなく医療ハイフを受ける」「過去に問題を起こした施設は選ばない」などです。
7:神経損傷
神経損傷は、神経にまでダメージが入ってしまい、施術箇所付近に一時的な痺れが生じたり、麻痺が続いてしまう副作用です。
ごく稀な副作用ではありますが、この副作用が出たらと思うと怖いですよね。
火傷のリスクと同様、安全な施術を行ってくれる医療機関や医師を選び、可能な限りリスクを下げましょう。
ダメージを受けやすいハイフ後の肌!施術後は丁寧なアフターケアを!
副作用で紹介したように、ハイフを受けた後の肌は乾燥し、ダメージも受けやすい状態です。
普段は肌トラブルがないという方も、施術後は敏感になっていると考えて以下のアフターケアを丁寧に行いましょう。
- 保湿
- 紫外線対策
- 水分補給
1:保湿
ハイフを受けた後は肌が乾燥しやすくなっています。
乾燥している肌は外部の刺激を受けやすくなるため、化粧水や乳液、クリームなどで丁寧に保湿しましょう。
普段は朝と夜しか保湿しないという方も、お昼に保湿タイムを設けたり、こまめにミスト化粧水で潤いを与えるなど心がけるとよいです。
2:紫外線対策
施術後は、紫外線をガードすることも大切です。
乾燥した肌は想像以上に紫外線のダメージを受けやすいです。
窓から差し込む太陽光からも紫外線を受けるため、室内にいる時も日焼け止めを塗りましょう。
また外出する際は日傘や帽子などの紫外線対策グッズもおすすめです。
日焼け止めの塗り直しが苦手な方は、スプレータイプやミストタイプの日焼け止めを用意するとよいですね。
3:水分補給
身体の外から保湿することや紫外線対策も大切ですが、内側から水分を満たすことも、とても大切です。
飲料はミネラルウォーターや炭酸水などを選び、一気飲みではなくこまめに摂取します。
水分補給は乾燥対策だけでなく、ハイフの効果を高める作用も期待できるといわれています。
一石二鳥ですので、1日1.5リットル〜2リットルほど飲むよう意識してみましょう。
ハイフ(HIFU)治療でよくある質問
それでは最後に、ハイフ治療でよくある質問を3つ紹介します。
- エステハイフや家庭用ハイフでも効果はありますか?
- ハイフ治療を受けられないことはありますか?
- ハイフを繰り返すと頬がこけてしまうというのは本当ですか?
1:エステハイフや家庭用ハイフでも効果はありますか?
エステハイフ(美容ハイフ)も医療ハイフと同じ原理であるため、ある程度の効果は見込めます。
しかし先述の通り安全性や効果は医療ハイフより劣っているため、エステハイフはおすすめできません。
家庭用ハイフはインターネットで機器を購入できる上、コストも安価かつ自宅で行えるため、非常に手軽に感じるかもしれません。
ですが使い方を誤れば、火傷などの怪我の元となります。
刺激を与えられる部分も皮膚の表面に近い部分に留まるため、刺激が皮膚の奥まで届かず、高い効果は得られません。
皮膚に直接影響を与える機器を扱う以上、安全性を最重視し、医療ハイフを利用するようにしましょう。
2:ハイフ治療を受けられないことはありますか?
ハイフは基本的に負担の少ない美容施術ですが、場合によっては施術を見送ったり断られることがあります。
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- 施術箇所にペースメーカーや金属が入っている方
- アトピー性皮膚炎など特定の皮膚疾患を患っている方
- 施術箇所がケロイド、あるいはケロイド体質の方
- 糖尿合併症を発症している方
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- 施術箇所にペースメーカーや金属が入っている方
- アトピー性皮膚炎など特定の皮膚疾患を患っている方
- 施術箇所がケロイド、あるいはケロイド体質の方
- 糖尿合併症を発症している方
上記の他にもハイフ施術が適していない、様々な体質や疾患があります。
少しでも心配事があるなら、担当医師に必ず確認しましょう。
3:ハイフを繰り返すと頬がこけてしまうというのは本当ですか?
ハイフにより頬がこけてしまうことは、場合によっては起こりえます。
主に考えられるのは「頬の脂肪が極端になくなった場合」「頬だけ過剰に照射された場合」などです。
ハイフを行いつつ脂肪を溶解する施術で脂肪を減らしすぎたり、頬にだけ効果が強く出てしまうと、頬がこけることがあります。
体質や皮膚の状態によっては他の治療法が最適な場合もあるため、担当医師とのカウンセリングをしっかり行いましょう。
ハイフ(HIFU)の効果が出る時期と副作用・ダウンタイムのまとめ
今回はハイフの効果やダウンタイムの有無、副作用やアフターケアなどを解説しました。
- ハイフを受けるなら美容ハイフではなく医療ハイフがおすすめ
- ハイフは身体への負担が少ない施術だが、多少のダウンタイムはある
- ほとんどの場合、副作用は数日〜1週間で消失する
- 施術後は丁寧な保湿と紫外線対策が大事
多少のリスクはあるものの、ハイフは少ない負担で高い効果を期待できる美容施術です。
ハイフに興味がある方は、安全に施術を受けるために医療ハイフを検討しましょう。
また施術後のお手入れや過ごし方を意識することで、肌がより美しくなる可能性があります。
ハイフ施術をご検討の方は、ぜひ「施術後の肌をどう労るか」ということも考えてみてくださいね。